「さよならドビュッシー」中山七里。

さよならドビュッシー

さよならドビュッシー

2009年の「このミス大賞」作品。ずっと興味があったのをようやく。新刊を追うのをやめると、余裕ができて読みぱぐってたものに手が出せるのだった。
地主の屋敷の離れで火災があって、地主と二人の孫娘が被災、うち孫娘一人だけが大やけどを負いながらも一命を取り留めて……。
その孫娘さんが必死のリハビリや数々の嫌がらせを乗り越えピアノコンクールに出場する血と汗のストーリーでありました。ちょっとウルッとした。少女が次々と不幸に見舞われる姿が痛々しく、それが最後まで執拗に繰り返されるが、まるで一昔前の昼ドラか、ど根性ものの少女漫画っぽくて、たとえリアリティーがなくとも(失礼!)面白かったのです。あと、音楽の描写が細く丁寧で、曲の魅力を十分に感じました。
「このミス」だからミステリー部分もちゃんとあるんだけど、それほど重点が置かれてないんじゃないかな(いや、はっきり言って序盤でわかっちゃったし。私がわかるぐらいだから誰でもわかったんじゃないのか)。
実写映画になるんだそうで。余程の出来で評判にならないかぎり見に行かないと思いますが、包帯少女が好きな人には受けそうだ、と思うの。