「愛しの座敷わらし」荻原浩。

愛しの座敷わらし

愛しの座敷わらし

去年朝日新聞に連載されていたものの単行本化。連載中はコツコツ毎日読んでいたが、一号の入院で途中断念したのだった。6〜7章あたりまでは読んだ記憶。
改めて通しで読むと、ごくごく普通の家族再生の話だな〜と思う。
会社人間の父親は出世の道も立たれ、これからは家族を大事にしようと思うものの相変わらず仕事が忙しくままならない。
専業主夫の妻は、家庭を顧みない夫や認知症かもしれない義母の世話でストレスを抱えている。
中学2年生の娘は前の学校でハブられてからというもの、人の顔色ばかりみてびくびくしている。
小学4年生の息子は小さい頃喘息だったため母親が過保護で、自由に遊べない。
夫を亡くしてから息子家族と一緒に暮らし始めた祖母は、最近すっかり体が弱って夢うつつの世界。

とても身近な設定。どこの家庭でもありそうな。こんな一家が転勤のために地方へ引越し。父親の「男のロマン」で築百三年の古民家に住むことになり、そこで座敷わらしと出会ってしまう。

まだ幼い子どもの座敷わらしは何もしない、ただそこにいるだけ。なのに「座敷わらし」のおかげで家族それぞれの距離がぐっと縮まって一致団結、実に気持ちのいいハッピーエンドだ。最後の一行がとっても最高にいいね。
考えるに、家族に必要なのは共通の関心や話題なのかもしれないね。本当は話したいことがたくさんあるのに、遠慮したり、変に気を使ったり、「言ってもわからない」とあきらめたりして、話せない。だからギクシャク。
場所はやっぱ遠野かな?方言からして青森のような気もしないでもない。季節が夏だからスカッと爽やか〜な雰囲気だったが、冬だったら都会から来た人は大変だ、、、などと余計な事も考えちゃったヨ。