「ブロードアレイ・ミュージアム」小路幸也。

ブロードアレイ・ミュージアム

ブロードアレイ・ミュージアム

1920年ごろのブロードウェイの路地裏に建つ不思議な博物館「B.A.M」ブロードアレイ・ミュージアム。ここに田舎者青年エディが新任キュレーターとしてやってきたところから始まり〜
登場人物は、モース、バーンスタイン、ブッチ、メイベルのキュレーター仲間と不思議少女フェイ。さえずり屋グッディ、バーテンダーのバトラー。そして謎の経営者<E.G>。


すべてはフェイのために。フェイが悲しむことのないように、協力し合って不幸な出来事を未然に防ぐ、といったエピソードの連作短編集。
いい人たちのいい話ばかりだった〜東京バンドワゴンと同じ匂い。擬似家族だけど、そんな感じ。子どもを守る、話はやっぱ泣けるね。ラストはちょっと急ぎ足でバタバタしたのは、見事な引き際ってことなのかもしれない。
フェイの特殊能力はエピソードを作るためのご都合主義っぽいかな…とも思ったけど、次第に馴染んで気にならなくなった。むしろもっと見たかった。これで終わりなんだろうな〜ちょっと残念。


舞台が舞台だけに、マフィアや泥棒やら詐欺師やらが出てきて「悪党だけど悪人じゃない」を合言葉に寛容に許されている。罪に対する罰はやむなし、というスタンスはあったけれどね。いい話は甘くてゆるい、でもこれが小路さんの持ち味だから、これでいいのだ。