「私たちが星座を盗んだ理由」北山猛邦。

私たちが星座を盗んだ理由 (講談社ノベルス)

私たちが星座を盗んだ理由 (講談社ノベルス)

ミステリー、短編集。面白かった!どれも衝撃のラスト、ブラックな方向がたまらなく快感でした。
「恋煩い」占いにはまってしまう女の子のお話と見せかけといて……、ラストの一文が忘れられそうもないぐらい怖かった。確実性がないからこそ悪意の度合いが大きいような気が。
「妖精の学校」最初から最後まで学園ファンタジー。で、最後の一行に謎の数字の羅列。一見してでは何かわからなくってググると……。理解するのに時間がかかりましたが、わかって読み返すと恐ろしい実態。こういう仕掛けもよいね。
「嘘つき紳士」落ちていた携帯を拾った男がメールを使ってオレオレ詐欺を謀るお話。ま、なんちゅうか、恋する女はしたたか。
「終の童話」ファンタジーテイストのこれが一番お気に入り。石像にされてしまった人たちを元に戻す、と、いかにも童話的展開でありながら、元に戻る状態がシビアで残酷。ラストは読者が決めるんだね、私は杖。
「私たちが星座を盗んだ理由」表題作でありながら、一番普通だったかな。あまり衝撃的ではなかった。盗んだ方法は、なんだかなー、って感じ、盗んだ理由がわかったときは、ちょっとウルウル。