「水の柩」道尾秀介。

水の柩

水の柩

2月に読んだ本。感想を書きそびれてたから、記憶を掘り出し書きます。
いじめにあっていて生きる意味を見出せなくなった少女を、普通に暮らす少年が必死に助けようとするお話。あと少年の祖母の過去、か。
昔みたいな伏線拾いまくって大どんでん返し〜ではありません。もうそういうのはやらないのか、今回も文学度の高い美しい繊細なお話でした。最後、タイトルのあらわすところの儀式を執り行って救いとするのだけれど、それで本当に救われるか、と疑問を持ってしまった私は、なんか物足りなく思ってしまったのでした。綺麗なんだけどね。
今振り返ると、祖母の告白のインパクトが大きかったかな〜生きていくために嘘をついたお婆様の気持ちが痛々しくって辛かった。
いじめのことは、昨今話題だから今読むとまた違う印象を持つのかもしれないけど、当時は「ありがちなこと」と感じてしまった。いじめ多すぎでマヒしてるのか。