卵の緒

卵の緒

書店のレヴュー

自分は捨て子ではないかと思っている育生君の話「卵の緒」。亡くなった父の愛人の子七生君と急に同居することになった高校生七子の話「7′s blood」の2編。どちらもテーマは家族の絆。前者は、全く血のつながりがなくとも固く結ばれている親子、後者は、一緒に暮らした時間は短くとも、つながっていることを確信する腹違いの姉弟。要するに、血のつながりや時間は関係なく、愛し合う家族は幸せである、ということか。育生君も七生君も、複雑な身の上からか相手を思いやる心が過剰で、今時の小学生じゃいないでしょ?と思うものの、結末ではジーンとすると共に、爽やかな気持ちになった。04/07/04 ★★★★