「夏光」乾ルカ。

夏光

夏光

粒ぞろいの短編集。とてもデビュー作とは思えない出来栄え。
表題作と「風、檸檬、冬の終わり」は、グロテスクながら物悲しい余韻が残って素敵。他3作も、ストーリーに目新しさはないものの、独特の味わい。夜店の金魚が豹変する「は」が面白おかしかった以外は情緒的で涙を誘う感じ、ただのホラーじゃ終わらないのが良かった。

「黄泉坂案内人」仁木英之。

黄泉坂案内人

黄泉坂案内人

タクシー運転手の速人は、あの世とこの世の境にある入日村に迷い込。現世に帰る機会を待つ間、未練を残して成仏できない魂を救う仕事をすることに……。
前半は、亡くなった人の魂が「マヨイダマ」(BLEACHでいうところの虚ですね!)にならないために手助けするお話が3つ。どれもとてもいい話で面白かった。しかし、ずっとこのパターンで行くのかと思いきや、後半は村内の抗争へ展開。まあ、それはそれで面白かったですが、なんか残念な終わり方だったのが納得いかないというか。。。