「夏光」乾ルカ。

夏光

夏光

粒ぞろいの短編集。とてもデビュー作とは思えない出来栄え。
表題作と「風、檸檬、冬の終わり」は、グロテスクながら物悲しい余韻が残って素敵。他3作も、ストーリーに目新しさはないものの、独特の味わい。夜店の金魚が豹変する「は」が面白おかしかった以外は情緒的で涙を誘う感じ、ただのホラーじゃ終わらないのが良かった。