「猫柳十一弦の後悔」北山猛邦。

猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数 (講談社ノベルス)

猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数 (講談社ノベルス)

大学の探偵助手学部(!)の学生たちがゼミの合宿で孤島へ。模擬事件が起こるはずが、本当の連続殺人事件になって……。
この名探偵はなかなかに萌えた。一生懸命で健気、推理は一流でも非力だから身体張るなんて。応援したくなるじゃないですか。ぜひシリーズ化して!
事件が起こる前に阻止し一人も被害者を出さないことを信条にしているがために、あまりぱっとした経歴がない名探偵猫柳十一弦。素敵でした。

「星やどりの声」朝井リョウ。

星やどりの声

星やどりの声

父を亡くした三男三女6人兄弟姉妹がそれぞれに、父を想い、今の自分を想い、母を家族を想う物語。
上手い。特に最終章、長女のお話は泣けました。葛藤を乗り越えて兄弟が力あわせ云々的なお話ではあるけれど、安易な結果ではなかったし、何より星やどりの意味がわかったときには、思わずうなってしまいました。一体なんというお父さんでしょう。すばらし過ぎる。私はこんな親になれるだろうか、子に何を残せるだろうか、と考えずにいられませんでした。とにかく頑張ろうっと。
子らと年齢が近い作者さんだからよかったのか。これからも期待しております。ああ、でもデビュー作はまだ読んでないんだった。それにしても読みたい本ありすぎや。