私が語りはじめた彼は

私が語りはじめた彼は

書店のレヴュー

愛を求め続ける歴史学教授村川融の周辺の人々が語る、悲しい愛の話。短編連作集。村川先生本人の事は殆ど語られないのですが、周囲の人々は猜疑心に満ち、愛など信用していないという共通点を持っている様。村川先生は不幸を撒き散らしているのだ。読んでいてひどく疲れたし、読後感も悪い。でも★5つ。心が元気な時に読みましょう。純愛小説は耐えられない人にお奨め。6編の中で、村川に去られた息子が語る「予言」が、唯一救いか。彼は新しい世界で生きるために、幸せだった頃の記憶を、心の奥底に閉じ込めてしまった。こういうことって誰しも抱えているのでは?04/07/09★★★