「パラレル」長嶋有。

追加しました。パラレル
主人公の七郎と友人津田って、村上春樹の「僕」とネズミみたいだ、と思った。そうそう、パラレルってどういう意味かね。イマイチわからなかった。でも面白かったから気にしない。
キーワードの通信方式の一つってこれを意味してたのかも、とふと思う。どうでしょう。

書店のレヴュー

仕事をやめ、妻に去られた30代男が徐々に再生していく話。著者初の長編。現在と過去を行ったり来たりしながらストーリーは進みますが、殆どが普通の日常の出来事ばかり。にもかかわらず飽くことなく読めるのは、巧いからなのでしょう。主人公七郎と元妻、友人津田、キャバクラ嬢サオリのつかみ所のない関係が何ともいえずバランスが取れている。そして、ところどころに思わず頷いてしまうような科白があったり。人間はこんなふうに人生を重ねて年をとっていくんだな、と納得しながら、気分良く読み終えることが出来て、印象に残る一冊になりました。04/09/22★★★