東京物語 (集英社文庫)こちらも最近蔑ろ。奥田英朗東京物語」追加しました。あの日、あの時私は一体何をしていたのか、まざまざと思い出す事が出来た不思議な作品。

書店のレビュー

名古屋から上京した田村久雄君が過ごした12年間の断片を綴った短編集。キラキラと輝く80年代が懐かしい。同時期に20代を過ごした自分は、ものすごい郷愁に浸らされてしまいました。何となく都会にあこがれ東京に来て、勝手もわからず戸惑っていた18歳の久雄君が,30を目前にした最終話では毅然とした態度で物事を見つめていたりする。ジョン・レノンの死やベルリンの壁崩壊といった事件の当日の久雄君の一日を描くというアイディアも素晴らしい。この作家の作品共通の爽やかな読後感が○。04/12/25 ★★★