ぐるぐるまわるすべり台中村航「ぐるぐるまわるすべり台」追加。野間文芸新人賞受賞作、表題作は第130回芥川賞候補作。このときの受賞は綿谷・金原。この方のは始めて読みましたが、非常に良い。何も大きな展開がないのに爽やかな余韻が残るのが良い。私は好きだ。長嶋有も一段楽したし、今度は中村航(名前似てるな)に、はまってみよう。

書店のレヴュー

人は皆、何かを始めたい、始めなければいけないと思っているのではないか。その始めるまでの心の動きをテーマにしたストーリーが二編。表題作は、大学を辞めたばかりの主人公が、取りあえず塾のバイトに精を出しつつバンドのメンバーを募集するところから始まる。バンドを始めるのかと思いきやそうはならない。が爽やかな結末。不登校児ヨシモクが印象に残った。「月に吠える」はそのバンド募集に集まったメンバーの話。どちらも「始まり」の話故、「さあ、始めよう」というところでストーリーが終わりになる。私も何か始めますか。05/05/26★★★