池上永一「シャングリ・ラ」。

シャングリ・ラ

シャングリ・ラ

これから読もうとしている人がいらっしゃるのに、率直な感想なんて書けません。(笑)
簡単に、「面白かった」と、言うことです。中頃まではリアルな未来、という気がしましたが、それ以降は超荒唐無稽な展開で、これは読む人を選ぶかもしれません。でも序盤までに國子やモモコが「カッコイイ!」と思えたら、勢いで読めます。
ま、後は読んでのお楽しみです。途中でお手上げもあり、ってことで。だって、どうにもrokuさんが好きなジャンルとは思えないんだよな〜。でも、これを読み切れたら、新しい分野発見、で、喜ばしいかもしれない。
とはいえ、ここは備忘録代わりなので、ちょこっと書かせてください。一応読みづらくしておきますか。

何が凄いって、女及びオカマが滅茶苦茶強くて死なないこと。
國子さんがブーメランでミサイルを打ち落とす、というのは前に書きましたが、あれは飛行機の翼の上で、です。ありえません。
モモコさんの鞭は地下を這うし、男に変身するし・・・これもありえない。
小夜子は何度も蘇るし、涼子はストラディバリをハーレーに装備してるし(爆笑)。←いや、背中に背負ってたのかも?
ミーコに至っては・・・そんなのありかよ。まあ、許す。生きてたから。
そういえば、市井の人々はゴミのようにバンバン死んでいくのに、主な登場人物は誰も死にません。
でもって、後半いきなりヘキサグラム!アトラスの謎も、ちょっと強引・無理矢理っぽくって、これだけの規模であれでは弱すぎる、という印象は否めない(だって、第3次関東大震災がきた方が被害小さいって。多分。この後は平和になって誰も死なないのかもしれないが・・・)。
けれども、スーパーヒーロー物だし、許すよ、私ゃ。
それにしても、最初が現実に近い、現実にありそうな流れだったのに、こんな展開になるとは、全く。
ま、そういうありえないものを受け入れられる人だけが楽しめるんじゃないかな。

で、最後まで読んで気づいたんですけど、これって「月刊ニュータイプ」に連載されていたんですね。イヤ、ビックリ。なるほどね。
で、その連載時のイラストが、あの吉田健一さんのHPで見られるんです。私のイメージとはかけ離れていましたが、ちょっと想像しがたいアトラスの形がわかって良かったな、と。

書店のレヴュー

近未来の東京、地球温暖化を解消するため、世界経済は炭素の排出を規制する炭素本位制に移行し、東京は超高層の人工地盤アトラスを建設、人々は住む場所を空へ移し、地上は遺伝子操作された植物で覆われた熱帯雨林となった。が、アトラスへの移住を認められたのは、ごく一部の富裕層のみ、凶暴な森に取り残された人々はゲリラ組織「メタル・エイジ」を結成、総統である18歳の國子は、アトラス政策撤回を求め立ち上がった。◆と、ストーリーを追うと社会問題性の高い作品に思われますが、これはスーパーヒーロー物です。アクションに次ぐアクション、死にそうで死なないハラハラドキドキのエンターテイメントをお楽しみください。06/03/15★★★★