桂望実「県庁の星」

県庁の星

県庁の星

今話題の本、なのか。映画化されたし。
こっちの図書館では、初めて「後ろに大勢待ってるから早く返してね」という趣旨の紙が挟んでありました。今までだって予約がいっぱいある本はあったはずなので、「大勢」も半端な数ではないんだろう。
でも、それ程のものでもなかった気が・・・。
エリート県庁職員の野村聡君が、民間研修でスーパーマーケットへ出向し、県民の生の声に触れ、役人根性を捨てるまで、のお話。
野村君と、教育係のパートのおばちゃんである二宮さんと2つの視点で書かれている、その切り替えが判りづらい。何度も「誰?」と逡巡させられました。
それから、途中から野村君が立派なスーパー店員に変わって行く、そのきっかけが弱い。あれ、どうしたの?突然、って感じでしたね。こんなに簡単に自分の主張を変えるような柔軟性のある人間ではなかったのにな〜。
でも、役人の融通のなさ加減が面白かったし、スーパーの裏側が恐ろしかったり、で、良い作品だった、としておきましょう。
でも実際、会社にこんな形で県庁さんが来られたら、正直迷惑だって。←偏ってるかも。県庁の方見てたらごめんなさい。

書店のレヴュー

エリート県庁職員の野村聡は、一年間の民間研修でスーパーマーッケットに出向することに。意気揚々と出社してみたら、教育係はパートのおばさん、マニュアルも組織図もない!仕事は体で覚えろ?果たして聡は庶民の声に答えることの出来る「県庁の星」になれるのか?◆面白どころは、聡が役人根性丸出しで浮きまくりの点か。エリートの自分が下々のやつらがやる仕事なんてできねえよ、と不満ばかり。一方店側も裏側ではかなり際どい事もやっちゃっている。民間企業で仕事をした人であればお役所関係の七面倒臭さはわかるはず。かなり共感持てました。終盤の展開は、ちょっと都合良過ぎるかな。06/03/29 ★★★