ジュンパ・ラヒリ「停電の夜に」。

停電の夜に (新潮文庫)

停電の夜に (新潮文庫)

これは、最初の表題作から、いきなりカナタの弱点を突く話題で、打ちのめされてしまいさした。
おかげで、終始動揺。
最後の「三度目で最後の大陸」が一番のお気に入り。

書店のレヴュー

インド系女流作家の短編集。収録は9作。登場人物は、インド・ベンガル人が多く、その文化がとても目新しく感じましたが、その文化の違いを殊更に紹介することはありません。テーマは「祖国を遠く離れて暮らす苦悩」や「夫婦の微妙なズレ」が多数あって、それらの問題はインド系であることとは関係なく、誰の心にも響く問題ではないでしょうか。9つの短編はどれも素晴らしい出来栄えで、それぞれ映画になっても良いほど完成しています。結末は、読者を裏切るもの、ほろ苦いもの、ほっとさせられたりと様々。◆「三度目で最後の大陸」インドで生まれ、イギリスの大学で学び、アメリカの大学図書館へ就職することになった主人公。故郷で見合いし結婚したが、妻とは殆ど会ったことない。先に一人アメリカへ渡り住む場所探して、ある下宿に辿り着いた。その大家は100歳を超える高齢の婦人で・・・。不安と戸惑いを抱えながら異国で新しい生活を踏み切る主人公に、まさに決定打ののひと言をプレゼントした大家。勇気をもらえた作品です。06/04/29★★★★