法月綸太郎「生首に聞いてみろ」。

生首に聞いてみろ

生首に聞いてみろ

このミスの1位だったので読みたかった(読まなければ、とへんな義務感の)作品でしたが、「本格ミステリー」といわれるとちょっとひく・・・みたいな気分で、読むのを長いこと先送りしていたのでした。
何せ、この手の作品は普段読みつけないので、登場する人物全てを疑って、何度も読み返したり苦戦しつつも、後半はガシガシ読み進められました。
そんなこんなで無事読み終わったのですが、非常に後味悪い。ヒデー話です。
作者の意図するままに振り回された、ある意味優秀な読者だったと思いますが、この結末は辛い。
人が殺されるミステリーですから、人の悪意が厳しいのは、読む前から踏まえているわけですが。
フィクションを、あくまでフィクションと割り切って読める私は、幸せなのかな〜?
それにつけても、このタイトルはイヤ。

書店のレヴュー

2005年版このミス第1位の作品。石膏彫刻の首が切り落とされた謎を追う。◆ミステリーでネタばれなく感想を述べるのは難しいのですが、計算高く作られた、非常に出来の良い作品だと思いました。当方、法月綸太郎は初読みで、しかもこのような本格ミステリーはあまり読んだことがありません。が、ほぼ最後まで飽くなく読み終えることが出来、読了後は茫然自失状態でした。結末は悲劇で、救いようがなく、ホラーを彷彿とするタイトルには、非常に違和感があります。もっと、敬虔なイメージが良かったのでは?その他疑問点は、綸太郎が捜査本部に、ほぼ自由に出入りでき、捜査状況を入手できる、というのはどうなんでしょう?フィクションだから許されるのかな。06/05/26 ★★★