西加奈子「さくら」。

さくら

さくら

半分ぐらいまで、非常に退屈でした。
僕(薫)の家族の歴史が、薫の記憶が始まるところから延々と書かれていて、飽きました。
こんなに詳しい説明は要らないんじゃないのかな〜エピソード詰め込みすぎ。
問題が深刻になる思春期以降は面白い、というかどんどん読めるようになったんだけどね。
その後半は、暗い。重い。妹のミキの「女」ぶりが怖い。「ランドセルの中身」が判った時の驚きといったら・・・。
そして、苦しいハッピーエンド。きっと、もう大丈夫なのだろう。でもサクラちゃんだって、もうそんなに長生きできないのだから、自分たちでちゃんと幸せ探してください。
トータルでは、なかなか良い作品だったのではないかと。・・・ち〜と苦しいかな。

書店のレヴュー

物静かで勤勉な父、美しく朗らかな母、ハンサムでスポーツ万能、優しく頭の良い兄、美しい妹、父譲りで静かな僕、そして犬のサクラ。裕福ではないけれど、完璧に幸せだと思っていた家族が、次第に揺らぎ始め、兄の死をもって完膚なきまでに崩れてしまう。僕の家族の、幸せの絶頂からどん底に至るまでの過程と、再生の物語。◆重苦しい話なのに、何故かさっぱりしている。関西弁と、挟まれるエピソードのユーモア、そしてサクラが、深刻さを薄めている。どんな家族にも、良いことがある裏側で、気付かないうちに深刻な状況が進んでいるのかもしれないな。不器用に再生しようとし始める結末は、ちょっぴりハッピーエンド。06/05/30★★★