飛鳥井千砂「はるがいったら」。

はるがいったら

はるがいったら

ちょっと前に「さくら」を読んだ。又犬の話か〜表紙の雰囲気も似てるし。でも内容は全然似てなかった。こちらの方がごく普通で、かえって身近に感じられ、良かったと思います。
弟・行の話は、まあいい。みんな悩んで大人になるのだ。がんばれ高校生。
姉・園のエピソードが俄然良かったね。
園は、女から見たら真にいやらしい奴で、私だったら友達になれそもない。
が、ずるい恭司と別れたら、もっと可愛いきれいな女になるのだろう。それにしても女は怖い。

書店のレヴュー

完璧主義の姉は人の悪い所が目に付いて仕方が無い。マイペースの弟は何でも受け入れてしまう自分がいや。第18回小説すばる新人賞受賞作。◆園と行の姉弟は両親の離婚で離れ離れに暮らしているけど仲がいい。幼い頃に拾った犬のハルは老犬で、弟が介護していたが、入院のため姉が引き取ることに。◆園と行が交互に語り手になる。行の方は家庭事情が複雑、病弱ではあるけれど、清清しい高校生物語。一方の園は婚約者のいる幼馴染みと付き合ったり、ストーカーに会ったりと痛々しい。ハルを看取る一ヶ月の間に明らかになる二人の周囲や心の機微が、とてもリアルに伝わってくる、良い作品でした。06/06/17★★★