平山瑞穂「忘れないと誓ったぼくがいた」。

忘れないと誓ったぼくがいた

忘れないと誓ったぼくがいた

あれ、こうしてみると、表紙のイメージが、全然そぐわない。これはあずさじゃないよ。
で、平山さんは日本ファンタジーノベル大賞を受賞した方なんですね。これが2作目。内容は、やっぱりファンタジーかな。でも全く現実離れしていると、誰が言い切れるでしょうか?
人の記憶から次第に消えてなくなり、その存在までもがなくなってしまう少女、に恋する少年の話です。
結構、グッときました。
これは、恋愛小説ですが、ガシガシ読めましたよ。どこかセカチューっぽくもあるけどね。
最後まで読んでから、プロローグに戻ると、より一層の喪失感が。
あずさについての「記憶」ではなく、「知識」なんだ、ということ。
切ないです。ウルウル。

書店のレヴュー

俺はあずさが好きだから、絶対君を忘れない。◆主人公の「ぼく」葉山タカシは高校3年生。メガネショップで出会った店員、織部あずさに恋をした。その後ひょんな場所で再会した二人は授業をサボって遊園地に出かけた。が、突然あずさが消えてしまう。◆誰もその人のことを覚えていなかったら、その人は存在しなかったのだろうか。あずさは「人の記憶から消えてしまう」と同時に、存在そのものまでも消える状態にあり苦悩している・・・という設定。ファンタジーである本作品は、人の記憶と存在について、残酷なまでの喪失感をもって描いている。彼女が消えないように、とタカシの必死の努力も空しく、あずさの存在は日に日に希薄になり・・・06/07/21★★★