角田光代「Presents」。

Presents

Presents

良い作品でした。
角田さんがこんな作品を書く人とは知りませんでした。
角田作品で今までに読んだのは「太陽と毒ぐも」「エコノミカルパレス」の2冊と、アンソロジーをいくつかだけ。猛省してこれからもうちょっと読んでみないと。
で、一番良かったのは「鍋セット」。短い話なのに、何でしょう、このぐぐっと来る感じは。

書店のレヴュー

この世に生まれてきて初めてのプレゼント「名前」から始まって、余命幾ばくもない病床で近しい人たちが流してくれた「涙」まで。12のストーリーに、松尾たいこさんの美しいイラストがついた短篇集。◆12の作品の主人公は全て女性で、一人の人ではないけれど世代順に並べられています。「名前」「ランドセル」「初キス」「鍋セット」「うに煎餅」…その時々のシチュエーションが、私が今まで経験してきたこと、あるいは恐らくこれから体験するかもしれないこととだぶってしまう。「物」ではなく、贈った人の気持ちや贈られた人の心境こそが「Present」なのだな、と思いました。装丁が正に贈り物っぽくって、このままリボンをかけたくなるほど美しいです。この本はオススメ。06/10/18★★★★★