「四度目の氷河期」荻原浩。
- 作者: 荻原浩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/09/28
- メディア: 単行本
- クリック: 29回
- この商品を含むブログ (40件) を見る
最初、ワタル君のお母さんが遺伝子工学の研究者で、クロマニヨン人がお父さん、と来たから、これはSFっぽい話かと思っちゃいましたが、さにあらず。
少年の成長物語、でしたね。
髪や目の色が違う、体も大きい、じっとしていられない性格から、自分は、氷河から発見されたミイラから取り出した遺伝子で作られたクロマニヨン人、と思い込むワタル少年が主人公。
自分は特別、普通じゃない、クロマニヨン人の子だから、という呪文がワタル少年の支えになるのです。
で、後に特別じゃない事がわかり、「自分は自分なんだ」ということに気づくんですけどね。
男の子の母である私としましては、結構ハラハラドキドキものでした。
人の話は聞かないし、人に話さないし、思い込みが激しい。まったく、馬鹿者ですよ、ワタル君は。
…もちろんいい子でもあります。可愛い。
恋人サチもよかった。まだまだ子どもっぽくはあるけれど、二人一緒なら大丈夫でしょう。
しっかし、犯罪はいかんな〜。
最後のほうは急ぎすぎじゃないか、と感じなくもなかったですが(女子高生は簡単にロシアまでいかないと思う)、かなり調子よく読めました。これはおすすめ。