「強運の持ち主」瀬尾まいこ。

強運の持ち主

心温まる話が4つの短篇集。
「ニベア」
　お父さんかお母さんか選ばないといけない、と相談する堅二君のお話。真相はちょっと驚くけど、微笑ましいね。堅二君の思いやりが泣けます。お父さん、頑張れ。
私もこの冬はニベア使ってみるかな。
「ファミリーセンター」
　男の人を振り向かせたい、女子高生墨田まゆみちゃんのお話。男の人は実は○○○○○なんですが(笑)。まゆみちゃんがとっても良い子。こんなにまっすぐ育ってくれて、お母さんはうれしいよ（なんのこっちゃ）。
「おしまい予言」
　物事のおしまいが見えてしまう、という大学生武田君が登場。ルイーズ自身も「おしまい」を予言されてちょっと動揺してしまう。つかの間アシスタントに。が「おしまい」が必ずしも悪い事ばかりではない事に気づく。
ちょっと図々しい武田君ですが、これまたいい子じゃ。
「強運の持ち主」
　同棲中の通彦君に暗い闇が迫る？ここに来て「真面目に」占いに取り組むルイーズが面白い。で、結果は…

どの話も、みんないい人（すぎ）。
品行方正な話で、どなたにでも薦められるわね。
何ともへんてこなものばかりを食卓に出す通彦が、非常に良いです。葛きりをカレーに入れてみたい。

瀬尾さん、先生になっちゃったから、もう本は出さないのかな〜。
ちょっとがっかりではあるけれど、自分の目指していた道でしょうから、そっち方面で頑張ってくれたらいいですね。

書店のレヴュー

元ＯＬの占い師ルイーズ吉田のほんわかしたエピソードが４つの短篇集。◆たった２日の研修で独立したルイーズは、お客をきちんと占いもせずに直感で対応するが、なぜか意外と評判がいい。仕事中に見つけた「強運の持ち主」である通彦と同棲中。◆ルイーズの場合「占い」というより「人生相談」なんだけど、その応対が好感持てちゃう。相手の気持ちを思いやって、その人がよい方向に行くようにアドバイスをくれる。そしてたまに外れる（笑）。人の人生を左右するかもしれない占いをしながら、結局自分の直感を一番信じている。「当たるも八卦当たらぬも八卦」、「占い」に惑わされないで、ということかな。０６／１２／０２ ★★★