「八月の路上に捨てる」伊藤たかみ。

八月の路上に捨てる

八月の路上に捨てる

自分の都合のいい事ばかり考えたり、思い通りじゃないと不機嫌になったり、女にはそれを許せとか、分かれとか期待してる自分だったから、結婚しても無理なのは明白だったじゃないか、と別れてから理解したらしい男の話。
…で、いいですか。
もうひとつの、「貝からみる風景」の方が好き。
思いを共有できる何かを見つけるためには、やっぱり会話がないとね。

書店のレヴュー

第135回芥川賞受賞作品の表題作と短編「貝からみる風景」を収録。◆表題作は、清涼飲料の自動販売機に缶を補充するバイトをしている男が、同じ車に乗っている同僚の女性を相手に離婚の経緯を説明するストーリー。◆どうにも腑に落ちない結婚生活なのだ。私は女だから女の側からしか見えないのかもしれないが、この男のことがわがままでプライドが高くて大人気ないひどい奴にしか思えない。妻を「病気」の設定にするのも意味がない感じ。最後に「遊んでるんじゃねえ」と怒鳴られて「何もかも本気だったのだ」という場面。いつまでも子どもじみたことしかできない男の情けない負け惜しみに聞こえた。◆芥川賞受賞ってほどでもないかも。ま、最近の芥川賞はそういうの多いですけど。07/03/12★★★