「風の影」カルロス・ルイス・サフォン。

風の影  上 (集英社文庫)

風の影 上 (集英社文庫)

風の影  下 (集英社文庫)

風の影 下 (集英社文庫)

このミス海外部門で4位だった本。
読んだ人はわかると思うけど、下巻のヌリアの回想のところが一番の見せ場なのね。ちょうどここに差し掛かったところで、どうにもはずせない用事にため外出せざるを得なくなり、気もそぞろ。帰宅後一気に読み終わりました。ああ、面白かった。
一冊の本が人生を変える。なんてワクワクするお話。
「忘れられた本の墓場」という不思議な場所で出会った1冊の本「風の影」に出会ったダニエル少年の成長物語、と言えましょう。内戦の厳しさも知らずにお父さんの愛に守られて育ったダニエルが、立派な男になっていく過程は辛く苦しいものでしたが、ラストは感動しました。


でも冷静に振り返ってみれば、怒涛のごとく展開する昼ドラのようでもある。フリアンとペネロペが○○だったり、親友ミケルが○○○○○○○○、その他数々のロマンス。
猟奇的刑事フメロが常軌を逸し過ぎて現実感に乏しい気もする。この人の部分はホラーの域。
なんだかんだ言っても、そんな昼ドラチックが面白いんだから、まあいいわな。