「彩乃ちゃんのお告げ」橋本紡。

彩乃ちゃんのお告げ

彩乃ちゃんのお告げ

とても優しい気持ちになれる本でした。
新興宗教ものではありますが、そこんとこには重点がなく、なんだかホッとする。
小学5年生の彩乃ちゃんは教祖の孫にあたり、次期教主になる予定なんだけど、何やらゴタゴタがあるらしく(この辺の描写は一切ありません)、しばらくの間身を隠すようにあちこちに預けられることになるのです。
その先々の人たちが主人公の話が3つ。『夜散歩』『石階段』『夏花火』どの主人公も悩みや迷いがある。彩乃ちゃんがその背中をほんのちょっと押してくれ、よい方向がみえてきて……。
主人公たちの心の揺れの描写がうまい。『彩乃ちゃん』のキャラクターもとってもよいです。こんな素敵な教主様ならお会いしたい。……あ、でも周りの大人が胡散臭い人だったりするのかもな〜。