「螺鈿迷宮」海堂尊。

螺鈿迷宮

バチスタシリーズの番外編にあたるらしいですが、実質３作目。今回は田口先生がお休み（ちらっとゲスト出演）、落ちこぼれ医学生の天馬君が主人公。
賭け麻雀のかたに、悪い噂が付き惑う桜宮病院の潜入調査を命じられた天馬君が、その暗部に迫るストーリー。
「ナイチンゲール〜」に続きこの作品も世間様の評判があまりよくなかったようで。ですが、いやいやどうしてかなり面白かったです。個人的にはシリーズ中で一番よかった気がするくらい。多分皆さんは、白鳥の濃いキャラを全面に出した作品をお読みになりたいんでしょうね。本作では更にうわての巌男先生との対決に白鳥もタジタジ。あまり爽快な場面がありません。それだけこのテーマが抱える問題点が大きい、と作者が考えているのではないか、と思いました。
終末期医療が蔑ろにされている。その事がわかっただけで、充分満足であります。