「グラデーション」永井するみ。

グラデーション

グラデーション

衝撃的なことや、超感動的なことなんて、普通の人生の中でそうそうない。
この本の中にも、そういうのは全然ない。ほんとに普通の女の子の、14歳から23歳までのエピソードを並べただけ。けど、大事件がないからリアルにみえる。
主人公の桂真紀ちゃんが中学〜高校〜美大〜社会人へと成長していくストーリー。この手の話だと、主人公の子が精神的にも徐々に成長していって、結果夢をつかむとか、何かを見つける、とかが常套手段だけど、真紀ちゃんの場合、最後まで特に結論も出ず。
23歳で、何かをなさなくたっていいじゃないか。まだまだ人生長いんだし。幸い、君はよいお友達に恵まれているのだし。
……とは思うものの、小説としては物足りない気がしてしまうんですけどね。すみません。