「本当のうそ」。

本当のうそ

「うそ」をテーマの短編が１２、のアンソロジー。うそ、といえばやっぱり「男と女」なのか、大半が男女関係のストーリー。
ラインナップは、石田衣良、谷村志穂、神崎京介、大道珠貴、吉田篤弘、日向蓬、山本幸久、井上荒野、山之口洋、橋本紡、大島真寿美、甘糟りり子。どれも短いのであっさり読めた。
お目当ての橋本紡のタイトルは、「雨、やみて」。夫婦喧嘩をした翌朝、３時半に目が覚めてしまった妻が、思い立って２４時間営業のスーパーへ買い物に出かけるお話。昔の恋人のことを思い出しながら朝食用の魚を買う…雨上がり、日の出まえ、人が通るとつく灯り。行き帰りの道中の描写が趣きがあってよかった。
その他のお気に入りは、吉田篤弘、山本幸久。