「ホテルジューシー」坂木司。

ホテルジューシー

ホテルジューシー

これは面白かった!


大学二年生の柿生浩美は長女体質。面倒見が良くて貧乏性で、正義感強し。そんなヒロちゃんは卒業旅行の資金を稼ぐために、夏休み中石垣島のリゾートで住み込みのバイトを始めた…のだったが、ひょんなことから那覇のうらぶれた路地にある「ホテルジューシー」で働くことに。


登場人物がみんなすごく良いね。昼夜で性格が変わるオーナー代理の安城、清掃係のクメばあとセンばあ、調理担当の比嘉さん。夜ヴァージョンのオーナー代理以外は、大らかで大雑把な人ばっかり。そんなことでホテルやってけんのか〜?とカリカリ働くヒロちゃんと対照的なのだ。そんな職場で働くうちに頑固な性格も少し緩んで、ちょっと融通の利く大人に成長していく、というストーリー。


正否をはっきりさせないと気がすまないってのは、それ自体間違っているわけじゃない。ヒロちゃんは正しくない事に目をつぶれない性格で、彼女はついつい正義感を振りかざしてしまうのだった。
だけど、知ってて知らないふりをする、見て見ぬふりをする方がいいときもあるんだよ〜とさりげなく諭してくれるのが夜ヴァージョンオーナー代理で、これがまたカッコイイのだ。でもってその場面がミステリの種明かしになってるのが上手いよ。
普段は腑抜け、でもやるときはやる。こういう大人に私はなりたいですわ。今は年がら年中腑抜けだからさ^^;


あと、食べ物がすんごくおいしそう。ゆるゆるした雰囲気もいいな〜ああ、沖縄行きたい。★★★★