「ラットマン」道尾秀介。
- 作者: 道尾秀介
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/01/22
- メディア: 単行本
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バンドのメンバーだったひかりと恋人関係だったが、最近は気持ちがひかりの妹である桂に傾きつつあった。そんな中、ひかりがアンプの下敷きになって死亡する。
ひかりの死と、23年前の姉の死。二つの事件の真相について、亮の思考が二転三転するミステリ。
これは素晴らしかった。見事。
「人の絵」と思ってみれば「人」に見え、「ねずみ」と思って見れば「ねずみ」に見える、ラットマン。作中にイラストが挿入されているのでわかりやすいね。
その思い込みの妙をミステリに使って、後半2つの事件を鮮やかにひっくり返して見せてくれた。うまいな。ネタバレになるから詳しく書けないけど、「見た」だけでは本質まではわからない、ってことですかね。