「夜叉桜」あさのあつこ。

夜叉桜

夜叉桜

弥勒の月」の続編。
前作同様、同心の木暮信次郎、岡っ引きの伊佐治、小間物問屋の遠野屋が主な登場人物。今回は女郎連続殺害事件が起こる。3人目の被害者が遠野屋の手代信三の幼馴染みで、遠野屋の周囲に望まぬ闇が訪れてしまう…。


これは前作を上回る出来じゃないでしょうか。ページを繰る手が止まりませんでした。
人は誰も心に夜叉と弥勒を持つ……事件の真相はまたもや悲惨極まりなく、人の深層心理を無理矢理グリグリ掘り起こすような解決シーンはなかなか圧巻でした。信次郎の嫌がらせのような言葉責め(ではなく追及)が、なんだか快感になってくるから不思議だ〜。
遠野屋が隠している姿の方も展開があり(兄上の変わり果てた姿が哀れ><)、次回作が期待されますな。遠野屋さんに平安が訪れるような結末だといいな。