「扉は閉ざされたまま」石持浅海。
- 作者: 石持浅海
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2008/02/08
- メディア: 文庫
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成城のペンションで行われた大学の同窓会。伏見は後輩の新山を殺害、周到に細工して事故を装い、扉を閉め密室を作り上げた。他のメンバーは、伏見の巧みな誘導で「新山は眠りこんで出てこない」と結論付けるが、頭脳明晰な碓氷優佳だけは疑問を持つ……。
いや〜上手く丸め込まれちゃったヨ。徹底的に論理で詰めている。
誰かが無理矢理ドアを開けることのないよう話を持っていく伏見の技もすごいが、微細な物事を積み上げて次第に伏見を論破していく優佳が怖い。なかなか明かされない動機と扉を開けたくない理由にも驚いた。しかも、何ですかこの結末は!普通のミステリで終わってないのね。
冷静に考えれば、優秀な伏見君がこんな動機で殺人を犯すのはおかしくないか?殺さずとも他の方法はいくらでもありそうなもの。ま、そこんとこは不問にしてもいいくらい論理バトルが見事だったからよしとしてもいいか。
あと優佳がね〜頭脳明晰なのはいいが、おおよそ誰も好きになる人がいないような人格なのが惜しい。でもそれが作者の狙いなんだろうね。