「出口のない部屋」岸田るり子。
- 作者: 岸田るり子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/04/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「出口のない部屋」という作中小説は、3人の人物がどこかわからない一室にいつの間にか閉じ込められる、というもの。研究者の女性、医者の妻、小説家の3人は閉じ込められた理由を探るため、各自の過去を語り始める……。
ミステリなんだが、ミステリな部分より人のドロドロした感情が渦巻く愛憎劇が濃い。いい人は1人も登場しない。全く人というものは、こうも醜いものなのか。かなりうんざりした反面、そこが魅力だったのか、ガシガシ読めた。
現実世界の出来事と、それに呼応して書かれた閉じ込められた3人の謎が合致する瞬間は見事。まさかの真相だったよ。