「ブランケット・キャッツ」重松清。

ブランケット・キャッツ

ブランケット・キャッツ

2泊3日のレンタル猫。お気に入りの毛布さえあればどこでも寝られるようにしつけられている…らしい。え〜こんな商売、本当にあるのかな?ネコというもの本来は好き勝手に生きてるイメージなんだが、この話に出てくるネコたちは、みんなきっちりお仕事をこなす賢い奴ばかり。
7つの連作短篇集。ネコを借りに来る人たちは皆、何かしら背負っている境遇。子どもがいない寂しさのため危機に直面した夫婦、末期ガンの女性、高圧的な父親に怯える中学生などなど。彼らがネコと出会って、変わるきっかけを得ていく、というのが概ねのストーリー。重松さんの作品はレベルが上位で安定しているから安心して読めるね。
ホント、生きてるといろんなことがあってめげる時も多々あるわけで。そんな時いかにして事態を打開するかは時々で違うだろうが、こういう方法もアリかな。まあ、私だったらネコより犬。
一番のお気に入りは最後の「我が家の夢のブランケット・キャット」。肝心な時にビンタできる親でありたい。