「ツバメ記念日 季節風*春」重松清。

ツバメ記念日 季節風 春

ツバメ記念日 季節風 春

春は旅立ち、出会いと別れのシーズン。ってことでそんな話を12個集めた短編集。重松さんだから当然上手いよ。どれもすごくいい話だ。この手の話だったら重松さんはいくらでも書けるんじゃないか。
…と思ってちょっと調べたら、案の定これから先、夏・秋・冬と出版予定だそうな。続けて読むとうんざりするかもしれないが、3ヶ月おきだったらちょうどよいね。ドヨドヨした本の後に読んで気分転換にしよう。
何気に重松さんと同世代の人物が主役を務めている作品が多い。40代の人で故郷を離れ都会で働く人はかなり共感できると思う。
どれもよい話で甲乙つけがたいが、特にお気に入りを上げるとすれば「さくら地蔵」かな。道端のお地蔵さんが、近くに桜の木もないのに桜の花びらで埋もれているのはなぜでしょう?という話。これは泣ける。
あとは「島小僧」「お兄ちゃんの帰郷」もぐっと来た。