「凶鳥の如き忌むもの」三津田信三。

凶鳥の如き忌むもの (講談社ノベルス)

「厭魅の如き憑くもの」に続くシリーズ２作目。
怪異譚を探して日本中を旅する小説家の刀城言耶。今回訪れたのは、瀬戸内海に浮かぶ鳥坏島（とりつきじま）。島の拝殿で執り行われる秘儀の立会いをすることに。
しかしその儀式の最中、巫女は消え、一緒に島へ渡った人々も次々と消えていく……。

今回の怪異は「鳥女」。崖っぷちに立っていると鳥女にさらわれるという。孤島で次々と人が消えていく現象は鳥女によるものなのか？を解いていくミステリー。
「人が消えていく」のは「殺されていく」のとはまた違う怖さがあってなかなか趣きがあってよかったな、と。前作同様民間伝承の詳細な説明も楽しく、独特な推理方法も相変わらずで（自分で立てた推理を自分で否定していくやり方）、何度も驚かされたりガッカリしたり(笑)。
最終的にたどり着いた真実は驚愕。ちょっとこれはかなり、、、来た。衝撃的過ぎて読了した日はなかなか寝付けなかった。信仰を守り続けるためにおきた悲劇、悲しい。