「首無の如き祟るもの」三津田信三。

首無の如き祟るもの (ミステリー・リーグ)

首無の如き祟るもの (ミステリー・リーグ)

このミス2008年度国内編5位。私はこの本を読むためにシリーズの前2冊を読んできたけれど、この本から読んでも大丈夫そう。東城雅哉の人となりや手法を知ってないとどうこう、ってのはないな〜。


奥多摩の村で戦中・戦後に起こった連続首切り殺人事件の謎を、30年後に解く、というストーリー。
自分の推理を何度もひっくり返すやり方はこれまでどおりで、またもや何回も驚かされてしまいました。で、最後の最後の真実も本当に見事。一番初めの編者の記はこういうことだったのか〜。
今回は「祟り」がテーマで祟りを恐れていること前提の推理をとことん詰めていくんですが、その過程で描かれる祟りに対抗する一族の様子が大変興味深かった〜薀蓄もうるさくなかったヨ。
祟りなんて迷信といって殊更に軽んじたりすると本当に祟りがあるかもしれない…みたいなところもよいね。おどろおどろしくあってもきっちり本格ミステリー。次作も読まねば。