「ガーディアン」石持浅海。
- 作者: 石持浅海
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/08/21
- メディア: 新書
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ガーディアンといっても姿が見えるわけではなく、危険回避も物理的なものに対してのみ。悪意のない場合はバリアのように、悪意のある場合は割り増しで仕返し。
死んだお父さんが守ってくれているなんて、心温まる話のように聞こえるけど、全然そうでないところがなんとも石持さんらしい。自動的に作動するガーディアンの行動にちっとも「愛」が感じられないのよ。痴漢の指5本全部へし折るなんて、お父さんやり過ぎです。後半は、冴の娘である円(まどか)に憑くんだけど、その防御システムをエスカレートさせていて、さらに情け容赦ない。
ポイントは冴・円の意思に関係なく行動するガーディアンさんを利用して事件を起こすにはどうしたらいいか?ということ、だったんだな〜。この設定を思いついたのはスゴイ、と思ったよ。
でも後味悪くって。特に後半の話は人死に過ぎ。無関係の善良な人々を簡単に次々殺し、そのことに対する反応に人間味がなくって、どうにも気分が悪かった。
もっとも「愛」を期待するなら「石持さんは読むな」って話かもしれない。でもきっとまた読んじゃうんだな、これが。