「こいしり」畠中恵。

こいしり まんまことシリーズ 2

こいしり まんまことシリーズ 2

『まんまこと』の続編。連作短編集。名主の跡取り息子麻之助の活躍。
どれも安定した面白さ。ずっと続けていけそうな予感。どうにもならないことを抱えながら暮らしている江戸の人たちの日々が生き生きとしてよいです。
それにしても、麻之助が昔からの想い人お由有に心を残しているのはまあいいとして(本当は良くないんだけれどサ!)、覚悟を決めて一緒になったのだから、お寿々のことをもっと大事にして欲しいと思います!あんなんじゃ、全然足りないよ!…というのが女心ではないでしょうか。どうにも蔑ろにしているようにしか感じられなかったのでちょっと怒ってみました。
以下メモ。
『こいしり』…病の床に伏して、昔好きだった女が心残りに。。。いや、やっぱこんなもんだって。お父様もそこまで望んでないって。と感じましたが。男心、読み違えてないですか?
『みけとらふに』…化け猫の噂と怪しいもうけ話。
『百物語の後』…百物語の最中、あわてた参加者が財布をなくす事件、、、の裏にあったもの。怪談話そのもの。
『清十郎の問い』…落し物のお守りに落とし主が2人名乗り出て、麻之助、板ばさみ。ホント出来過ぎ。
『今日の先』…余命幾ばくもない大岩屋さんの願いは遊び倒すこと。麻之助が指南することに。
『せなかあわせ』…舞い込んだ恋文でお寿々が勘違い。2人の距離が縮まったラストにホッとしました。