「カラスの親指」道尾秀介。

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb

40代の詐欺師コンビ、武沢とテツさん。二人とも、闇金融がらみの悲惨な過去を持ち、家族を失っている。その時の経験が、騙される人間から騙す人間への転機に。
しかし、二人の住むアパートが放火されたことから、武沢が仕返しをしたことがあった闇金融の復讐を恐れて……


前半は、闇金に人生を奪われたキツイ内容の話。後半はそいつらに仕掛けた手に汗握るコン・ゲーム。
そしてラストに、おまちかねの大どんでん返し。
ああ、これは確かに道尾秀介さんの作品です。充分に楽しめました。ミステリーというより、家族のお話だったかな〜。最後にテツさんが「詐欺師なんて……」のくだりがヨカッタ。詐欺師が主人公の作品ですから、ややもすると詐欺師がかっこよく思いがちになったところに釘を刺されました。やっぱり人を騙すのは悪い。
あと、闇金は絶対イカンネ。