「まっすぐ進め」石持浅海。

まっすぐ進め

まっすぐ進め

素敵な恋愛小説でした。
重荷を背負った美しい女性と知的な男性が、書店で偶然の出会い、友人を介して再会、そして静かに愛を育んで、二人で重荷を分かち合うことに……。ステキ!
何といっても書店の出会いの場面が美しい。そしてラストシーンの場所が、私の知っている所だった!一気に好感度up。あの迷宮のような場所、、、あそこで二人が会話したのかと思うと、めくるめく妄想が止まらなくなりました(笑) 
さて、ミステリー部分。今回も石持さんらしく屁理屈こじつけ全開で、強引に結論に持っていくやりかたは健在でしたが、かなり無理があったような?結局想像の域は出ていない終わり方もスッキリしなくてイマイチでした。でも目標は「事件解決」ではなく、相手の気持ちを楽にすることだったとしたら、これが石持さんの「思いやり」表現目いっぱいなのかも。主人公はもうちょっと感情豊かなほうがもっと素敵な恋愛小説になるんだけれどね〜。