「吉祥寺の朝比奈くん」中田永一。
- 作者: 中田永一,池田進吾
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2009/12/11
- メディア: 単行本
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主人公たちはみんな恋に慎重で、好きなのに好きじゃないフリをしたり、そういう不器用さが可愛らしくほのぼの。そして意外な展開に驚かされたり、ととても楽しく読めました。若い人たちはいいなあ。
以下メモ。
「交換日記はじめました!」
圭太と交換日記をはじめた和泉遥。最初はとてもいい感じだったのにすれ違って…。
全文日記の文章。ノートは盗まれたり失くしたりして持ち主が変わり、その時々の持ち主が書き込んで巡り巡る不思議。結末は出来すぎ感が否めないけれど、それでも「ああ、よかった〜」と一安心できました。
「ラクガキをめぐる冒険」
高校時代、クラスメイトの机に暴言が書かれる事件があって…。
ラクガキの真実に気付いた主人公がすごいよね。オチが一番最初にきてる作りが実にニクイ。戻って読み返しました。傘を置き忘れがきっかけの恋っ!
「三角形はこわさないでおく」
女の子ひとりと男の子二人の関係が…!絶妙な距離感とさりげなさそうでさりげなくない会話にドキドキ。
「うるさいおなか」
おなかが鳴りすぎる女の子の苦悩が切々と。おなかが鳴る音って、どのくらい周囲に聞こえるものなのかな〜こういう悩みは本人にとっては切実なんだろうけれど、なんだか笑えちゃった。最後はハッピーでよかった。
「吉祥寺の朝比奈くん」
コレが一番のお気に入り。喫茶店の店員山田真野と朝比奈くんの素敵な出会い。でも実は…(完璧に仕組まれた芝居、山田真野の夫が離婚したいがために朝比奈くんにお金を渡して不倫させようとしていた…)。
ちょっと驚く展開、切ない結末が悲しい。でも未来も見えた。山田真野も朝比奈くんも頑張れ。