「鷺と雪」北村薫。

鷺と雪

鷺と雪

第141回直木賞受賞作。
一年以上たってやっと読みました。ベッキーさんシリーズ『街の灯』『玻璃の天』に続く3作目。これで完結。
お嬢様の英子が、優秀な運転手ベッキーさんに出会い、世間を知って、この時代にどう生きるかを自分の頭で考えるようになる…英子の成長が著しく嬉しいかぎり。
しかし時は流れ、フィクションとはいえ容赦なく、正しく歴史的事件起こってしまったラストシーンは衝撃的。なんて切ないんでしょう。
あまりにも唐突な結末は、いい時代の終わりはいつもあっけないことを表すのに効果的だったな〜と。戦中・戦後、英子がどんなふうに暮らしたのか、勝手に想像するしかないけれど、力強く前向きに生きて決して挫けなかっただろう、と私は思うのでした。
良い作品だったな〜。