「夏目家順路」朝倉かすみ。

夏目家順路

夏目家順路

前回朝倉さんを読んだとき、あまりのドロドロ加減に懲り懲りしたのでしたが、ほとぼりが冷めた頃かと思い新作を読んでみました。
大変面白うございました。よかった。
74歳で亡くなったじいさんの人生を、その葬儀に参列した関係者に語らせて浮かび上がらせる、というやり方。じいさんはどう生きたのか、係わりのあった人たちはどうだったのか。じっとりする場面もあり、ほろっとくる場面もあり。じわじわきて最終的に感慨無量。
葬儀というのは残された人のためにするんだな〜と感じました。故人を偲ぶとき、自分がそのときどうだったのかを一緒に思い出すことによって結果自身を見つめなおす人たちが、なんだか愛おしい。人生は色々だなあ。