「Q.O.L.」小路幸也。

Q.O.L.

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偶然知り合った若者3人龍哉、光平、くるみ。葉山の龍哉の家に同居中。龍哉の父親が亡くなり相続したものは、サンダーバードと……。

東京バンドワゴン「レディ・マドンナ」を読む前に読んだほうがいい、とどこかで見かけたので読んでみました。レディ・マドンナどころかその前の「オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ」も読んでないんだけれど…ま、いずれ読むと思うんで。
3人とも半端なく重い過去をもつ身でありながら、楽しく幸せに共同生活を送っていたところに降ってわいた出来事のお話。小路さんの作品は大概、ドロドロしたものがあっても、それを踏まえて前向きに生きよう、という方向性だけれど、今回のくるみの「ドロドロ」は私の記憶する中では最大級で、そう簡単に割り切れるものではなかった。話の中でも決して「許した」わけではなかったけれども、ラストはなんだか爽やかで、そこが気持ち悪かったかなあ。あの人の態度も善人ぶっていて鳥肌が立ったよ。
気持ちのいい終わり方にしたいのならば、「ドロドロ」加減にも限度があるんじゃないかと思うんですよ。最近の作品では、そこんとこのさじ加減が上手になったのかそんな風に感じることはなかったんですが。