「地下の鳩」西加奈子。
- 作者: 西加奈子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/12/09
- メディア: 単行本
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どちらの話もずっしり重苦しかった。いい年して自分探し、がテーマなのかな。はっきりした結末でないから余計に苦しい。立っている場所は全然違うけれど同年代としてわが身に重ねて思いを馳せると、まだ負けてない、夢や希望を持ってもまだ間に合うよね?と思いました。
特に「タイムカプセル」はよかった。
本当は臆病なのに虚勢を張ってしまう癖のある吉田の弱さ、大量に食べては吐くを繰り返すことで生まれ変わろうとするみさを、正直に嘘をつき続け生きてきたオカマのミミィ。人間らしくて三者三様になぜか愛しい。
「決起!コロヨシ!!2」三崎亜記。
- 作者: 三崎亜記
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/01/31
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前作は青春スポーツ高校生もの、でしたが、今回は一転。前作で『掃除』の魅力を十分に堪能したあとの新章、大いなる陰謀に果敢に挑む高校生。サスペンス風味でした。だからか塵芥がキラキラする風景はついぞ想い浮かばず、残念。あと後半、都合良過ぎの急ぎ過ぎっぽくなかったか。そういえば表紙も残念かも。誰だ、これは。
いやいや、不満ばかりではなくて。
全体ではとても面白く読めました。いささか過酷な冒険を経て少年は大人になったのだった、的ストーリー。んで、まだ終わらないらしい。新しい世界に旅立ったらしい次回作も楽しみ。内容忘れないうちに出して欲しいわ。