無名

無名

書店のレヴュー

作者自身の老齢の父親を看取った経験を書き綴ったノンフィクション。よくある有名人の介護日記のようなものかなと思っていたら、大間違い。ノンフィクションでありながら、亡父が残した俳句と共に語られるストーリーは、小説のような美しさがあります。生活能力が無く、ただ本を読み、酒を呑むだけの世間的には全く無名の父親、と聞いただけでは、何か最低やね!と思ってしまいますが、息子がこれだけ父親に畏敬の念を抱くのですから、やはり大したお父さんだったのでしょう。それと、お母さんもなかなかすばらしい存在。見習いたいものです。04/06/24 ★★★