バラ色の怪物笹生陽子「バラ色の怪物」追加。今まで読んだ笹生作品とは雰囲気が違う。ちょいと重い。平和な、穏やかな、そういう風にず〜っと暮らしていければいいのに、善意に満ち溢れた社会であればいいのに。あるとき人の心に、勿論自分の中にも悪意や敵意が存在している事に気づいてしまった中学生の話。誰でもそういう醜い部分を抱えていて、通常は適当にあしらいながら生きている〜つーのが常識ある大人か?
まっさらな「お子ども」がそれに気付く瞬間ってあるもんなのかな?自分のことは忘れてしまいましたが。まあ、子ども世界いじめが蔓延しているのだし、徐々に理解してくのかな?こういうことを学ばないと、光の事件のようになるんじゃなかろうか。

書店のレヴュー

人の心の奥に住む怪物。そんなものは変人の中にだけあると思った?でも、誰の心にも光と闇、裏と表があって、自分の中にそれを見つけたとき。◆ジャンルは絵本になっていますが、中学生以上向けの本。挿絵は無いです。地味で冴えない中学生14歳の主人公遠藤。でもふとしたきっかけから中学生実業家(もどき?)の三上と知り合い、夜の秘密のアルバイトに精を出すことになった・・・。人との出会いと心の中に住む怪物の存在の発見が、子どもから大人になっていく過程の試練のように描かれていく。「目をそらしたくなるものたちから目をそらしてはいけない。」05/06/12 ★★★