いじめの時間 (新潮文庫)江國香織他「いじめの時間」追加。最近読み続けている湯本香樹実も書いているので読んでみた。これは読むのがなかなか辛かった。心に余裕のあるときに読んだ方が良いでしょう。
いじめがすっきりと解決した話が一つもないのが残念。特に親の介入が否定されているのが気になった。・・・そうなの?ワカラン。
あと、被害者側の子が自分は「いじめられても仕方がない」と思っていることとか。断じてそんな事はないはず。誰もが平穏に幸せになるために存在しているんだよね。いじめを美化するような事はあってはいけないんじゃないでしょうか。・・・とちーと熱く語ってしまいましたが、この辺にして。
さて目的の湯本作品は「リターン・マッチ」。いじめられ少年がいじめ少年たちを一人ずつ呼び出し決闘を申し込み、その行動が回りの評価を変えていく〜というストーリーなのに、結末は余りよろしくない。・・・もっと楽しい話を読んで気分を高揚させたいな。

書店のレヴュー

7人の作家による短編集。テーマは「いじめ」故に読んでいるうちに憂鬱な気分になった。「いじめる側」「いじめられる側」双方の立場で語られるストーリーは、時に加害者側の事情に流されてしまい、「いじめ已む無し」という考えに至ってしまうのではないだろうか。この本はあくまで小説、実際に世にあるいじめは決して肯定される場合などないと思う。◆どの話も陰惨でお気に入りというのも変だが、最後の「かかしの旅」がマシだったか。全編に渡って登場する大人たちは皆ふがいなく滑稽な中「かかし〜」のカウンセラー山下先生だけは被害者に信頼されていで、若干救われた。★★